イギリス欧州連合(EU)離脱か否か?
離脱派が勝利なら少なくとも初期反応はポンド安・株安・債券高・円高に。
イギリスのEU離脱はテールリスクと考えられていたが予断を許さない状況。
市場への影響は、離脱派が勝利した場合、材料出尽くし感から巻き戻しの動きが生じる可能性を完全に排除することは出来ない。
だが、離脱派依然としてコンセンサスには至っていない。
少なくとも初期反応は、ポンド安・株安・債券高・円高とみていいだろう。
政治への影響は、離脱した場合、キャメロン首相が「離脱派」の保守党議員に首相の座を譲ることになろうが、野党から不信任案が提出され解散・総選挙実施とみている...
残留派が勝利しても、離脱キャンペーンに参加していた保守党の一部議員が離党し、保守党が過半数を失った場合、早期解散・総選挙につながりそうだ。
イギリス経済への影響は、離党派が勝利すると、景気減速が鮮明化することから、BOEは利下げと追加量的緩和で対応すると当社は予想している。
目的先にはイギリスの国際金融センターとしての地位が低下することが痛手となりそう。
なお、貿易面については、離脱は脱退通告から2年後とされているため、当面、混乱が発生することはなさそう...
中長期には不利な状況に追い込まれる業種もありそうだ。
ただ、イギリスからEUへの輸出に対する平均関税率は3.2%程度にとどまるとした試算もある。
この程度の影響ならポンドの下落で十分相殺できる。
残留派が勝利しても離脱問題が再燃する可能性がある。
EUが財政統合を進めることでユーロ危機再燃を防ぐことを目指すなか、ユーロ圏外のイギリスがEU予算を拠出することに不満が高まるのも仕方がない。
金融業をイギリス経済の大黒柱というよりも格差拡大の象徴と認識しているイギリス国民が多い。
EU深化への不満、格差問題が離脱の可能性を高める。